白と黒の神話
 あまりにもいつもと同じ様子のウィアに呆れ返っているカルロス。しかし、ウィア自身には気にする様子など感じられない。彼にしてみれば大神殿はあくまでも信仰の中心地。神は敬意をはらう存在ではあっても、それ以上ではないといっているような態度だった。


「私はこんな威圧的なものが嫌いなんです。だからといって、神を信じていないわけではないですよ。私の使う魔法は創世神の力の一部でもあるでしょうから」

『ほう。お主、若いのによくみえておるの。これは、創世神は偉大じゃと人々に思わせるために作られたもの。本来、このようなものは必要ないのじゃ』


 ウィアの服の中から顔を出した神竜はそう言っている。その言葉に不思議そうな顔をしているミスティリーナ。その彼女にゆっくりと教えるように喋っている神竜。


『こんなものがなくても、創世神が身近にあることは感じられるからな。それよりも、そろそろかのう』

「どうかしたの?」
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