白と黒の神話
「ここまでおいでになるとは、どういうおつもりですか」
神竜の声が聞こえていなかった司祭のとがめる声。それを無視するようにセシリアは扉に手をかけていた。
「文句があるのなら後でいくらでもきくわ」
そう叫ぶなりセシリアは部屋の扉を押し開いていた。そして、その部屋の中には聖水晶に魅入られたようになっている聖教皇の姿があるのだった。
「…………」
聖水晶を前に何も言うことのできないセシリア。そんな彼女を押し退けるようにしているカルロス。
「アルディス!」
セシリアが呼び掛ける前にためらうことのないカルロスの声が響いている。その瞬間、聖水晶の中のアルディスの様子が明らかに変わっていた。閉じられていた瞳が開かれ、一人の相手をみつめている。そして、彼女を守るように輝いていた聖水晶はその姿を消している。残っているのは金の髪と青い瞳の少女だけ。
神竜の声が聞こえていなかった司祭のとがめる声。それを無視するようにセシリアは扉に手をかけていた。
「文句があるのなら後でいくらでもきくわ」
そう叫ぶなりセシリアは部屋の扉を押し開いていた。そして、その部屋の中には聖水晶に魅入られたようになっている聖教皇の姿があるのだった。
「…………」
聖水晶を前に何も言うことのできないセシリア。そんな彼女を押し退けるようにしているカルロス。
「アルディス!」
セシリアが呼び掛ける前にためらうことのないカルロスの声が響いている。その瞬間、聖水晶の中のアルディスの様子が明らかに変わっていた。閉じられていた瞳が開かれ、一人の相手をみつめている。そして、彼女を守るように輝いていた聖水晶はその姿を消している。残っているのは金の髪と青い瞳の少女だけ。