白と黒の神話
第2章
セシリアが案内したアルディスの部屋。そこが一国の王女の部屋であることは間違いない、というのがミスティリーナのもった感想だった。
レースのカーテンを揺らす風。燦々と日の光りがさしこんでいる室内。部屋のあちこちには繊細な彫刻や絵画が飾られている。もっとも、ミスティリーナにしてみれば、そんな装飾品はただ眺めるだけのものでしかない。彼女は部屋の主がいないにもかかわらず、きちんと整理されいつでも生活できるようになっている部屋というものに驚いているようだった。
「やっぱり、お姫様の部屋よね……」
部屋においてあるものはどれも贅の限りを尽くした最高のものである。そのことに目敏く気がついたミスティリーナは思わずそう呟いていた。部屋の中にいるのは彼女の他にはセシリアだけ。なんといっても、アルディスの姿がみえないということが噂となって囁かれようとしているところに、セシリアが黒魔導師を伴ってやってきたのだ。侍女たちは好奇の目でミスティリーナを見るし、アルディスの部屋に彼女をいれるのを嫌がった。だが、セシリアの言葉には逆らえない。そのことをよく知っている彼女は、さっさと人払いをすることに決めていたのだった。
レースのカーテンを揺らす風。燦々と日の光りがさしこんでいる室内。部屋のあちこちには繊細な彫刻や絵画が飾られている。もっとも、ミスティリーナにしてみれば、そんな装飾品はただ眺めるだけのものでしかない。彼女は部屋の主がいないにもかかわらず、きちんと整理されいつでも生活できるようになっている部屋というものに驚いているようだった。
「やっぱり、お姫様の部屋よね……」
部屋においてあるものはどれも贅の限りを尽くした最高のものである。そのことに目敏く気がついたミスティリーナは思わずそう呟いていた。部屋の中にいるのは彼女の他にはセシリアだけ。なんといっても、アルディスの姿がみえないということが噂となって囁かれようとしているところに、セシリアが黒魔導師を伴ってやってきたのだ。侍女たちは好奇の目でミスティリーナを見るし、アルディスの部屋に彼女をいれるのを嫌がった。だが、セシリアの言葉には逆らえない。そのことをよく知っている彼女は、さっさと人払いをすることに決めていたのだった。