白と黒の神話
「隠した、というのは心外でございます。私は彼女を保護したのです」

『じゃが、それだけではないじゃろう。儂らが入った時のそなたの目はただの男じゃったぞ』

「それでは私がただの女好きに聞こえるではありませんか」


 神竜の言葉に思わず反応した聖教皇。しかし、セシリアたちもそう思っていたのだろう。彼をみる視線は冷ややかとしか言い様がない。


『そなたのしたことはそうとしかとれぬな』

「このことを知れば、誰もがそう思いましょう。聖教皇様は女好きで無抵抗の少女を無理矢理に手に入れようとしたとは言われたくありませんでしょう」

「そなたは私を脅かすのか」


 セシリアの言葉に聖教皇は慌てふためいている。


「なさっていることはただのエロ親父です。否定なさいますか」

『できぬじゃろうな。否定しても誰も信用せぬ』
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