白と黒の神話
「そうか……ところで、このことを知る者は他にはおるのか」
「おらぬはずです。アルディス様の侍女は私に報告しただけだと言っておりました。当然、侍女たちには口止めをしております。彼女たちが口外せぬ限り、外部にもれることはございません」
「それならば、まだ少しは安心だな」
セシリアの言葉にウィルヘルムは大きく息をはいていた。その彼の顔色はまだどことなく悪いままである。だが、それも仕方がないことだろうとセシリアは思っている。なんといっても、王宮から王女が姿を消すという前代未聞のことが起こったのだ。このような事態に平気でいられる方がおかしいと彼女は思っている。そんな中、ウィルヘルムはセシリアに自分の側に来るようにと手招きしていた。
「セシリア、一度しか言わぬ。アルディスを捜し出せ」
「陛下……それは、アルディス様が王宮にあられないと思われてのお言葉ですか」
「おらぬはずです。アルディス様の侍女は私に報告しただけだと言っておりました。当然、侍女たちには口止めをしております。彼女たちが口外せぬ限り、外部にもれることはございません」
「それならば、まだ少しは安心だな」
セシリアの言葉にウィルヘルムは大きく息をはいていた。その彼の顔色はまだどことなく悪いままである。だが、それも仕方がないことだろうとセシリアは思っている。なんといっても、王宮から王女が姿を消すという前代未聞のことが起こったのだ。このような事態に平気でいられる方がおかしいと彼女は思っている。そんな中、ウィルヘルムはセシリアに自分の側に来るようにと手招きしていた。
「セシリア、一度しか言わぬ。アルディスを捜し出せ」
「陛下……それは、アルディス様が王宮にあられないと思われてのお言葉ですか」