白と黒の神話
 グローリアの貴族令嬢とヴェネーレの王子の関係がわからないミスティリーナ。彼女は目を白黒させてセシリアにたずねていた。


「ビックリして当たり前よね。私だって、まさかと思ったもの」


 ため息とともに語られるセシリアのその言葉にミスティリーナはコクコクとうなずいている。


「で、カルロス王子はアルディス様との縁談が進んでいたのよ」

「じゃあ、シスコンが言ってたあいつってその王子様のこと?」


 セシリアの言葉に度肝をぬかれたミスティリーナはそう叫んでいる。それに対してセシリアは軽くうなずくだけ。その時、ミスティリーナはアルフリートのことを思い出したのだろう。ますます声のトーンが上がっていくのを止められなかった。


「じゃあ、リアがその王子様と会うのってまずくない?」

「アルフリート様の耳に入ったらね」
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