白と黒の神話
「リア、さっきのウィアっていう奴、リンドベルグの一族ね」

「そうだけど、どうかした?」


 ミスティリーナの言葉にセシリアは首をかしげながらそう言っている。それにミスティリーナは考え込むような声でこたえていた。


「うん。あの一族って優秀な白魔導師が多いことで有名な一族なのよね。だから、ちょっとビックリしたわけ」

「あいつってそんなスゴイ一族の出身なの。でも、あのとおりの性格だけどね」


 それは先ほどのカルロスとのやりとりをみていたミスティリーナにも感じられたことなのだろう。セシリアの言葉に彼女は思わず笑い出していた。


「それもいいんじゃない。白魔導師っていっても人間だし」


 ミスティリーナのその言葉にクスリと笑ったセシリアは枕元の蝋燭を吹き消しているのだった。


 そして、翌日――。

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