白と黒の神話
「おい、本当にここなのか?」


 そう言ってミスティリーナに詰め寄るカルロス。しかし、彼女はあっさりと切り返している。


「そうよ。でも、絶対って保証がないのはわかっていたでしょう?」


 ミスティリーナの思いはウィアにも感じられたのだろう。彼はため息をつきながら、カルロスの首根っこをつかまえている。


「アルディス姫のことが絡むとダメですからね。もうちょっと、そういうところをあちらに見せていれば、ここまで苦労しなかったんじゃありませんか?」

「えっと……それとこれとは、話が違うんじゃない?」


 思わずそう呟いているミスティリーナ。そしてセシリアもそんな主従を呆れたような顔でみているのだった。
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