その時イルカは泳ぐ
桜のトンネル
ガチャ
ドアを開けて歩き出した
クシュン 失礼 俺の名前は嗄今 箕祐(さこん みひろ)春になってからと言うもの花粉症が酷い。
今日は始業式。          入学式といっても良いだろうか。
俺は高校1年、中3の夏から受験勉強をしだしてやっと受かった高校だ。
なんだか色々な意味で緊張している。
歩いているうちに、大通りに出た。
この先は桜通りと言われるほど有名な道だ。
桜通りは片側1車線 車道とまではいかないが、歩道には桜のトンネルが見事に掛かっていた。
作曲家ならここで歌が作れるだろうもし自分が作曲家だったらと考えて勝手に歌詞を考えて歩いていたら
ガンッ!!
何かにつまづいた
コンクリートからはみ出した木の根だ
クスッ・・・
後ろから笑い声がした。
振り向くと見知らぬ少女が立っていた
よく見ると俺の学校と同じ制服だ。
背は小さいから1年生だろうか。
と、急に少女がこちらに走り出してきた。
ストレートで黒髪だ
「おはよう この桜すごいねー」
俺にとっては桜なんてどうでもいい。
でもまあ話は聞いてやるか
「私五月雨 日延(さみだれ ひの)
宜しくね!!」
やけにテンションが高い
というかいきなりなんなんだコイツは
「あなたの名前は何て言うの?」
うざい何たった今出会った人に何個人情報聞き出しているんだ
でも無視したくは無かったのでなぜか答えてしまった。
「俺の名前は嗄今 箕祐」
あ、何言ってるんだ俺。
その時ようやく気づいた。
「へえ珍しい名前だねー」
いや五月雨という名前も珍しいだろう
「ああ皆に言われるよ」
そう言えば中学の時のあだ名はウコン
だった。
俺はウコンが好きではなかったが、
ぼーっとしている内に卒業してしまった。そんなの今はどうでもいいけどね
「一緒の高校だよね?一緒に行っていい?」
「ああいいよ」
仕方がなく俺は五月雨 日延と
高校へ行くことになった。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop