虹色の恋☆★



少し寂しそうに言う遥さんの手に、もう一度そっと力を込める。


「小さい頃よく両親が連れてきてくれたんだ。兄貴と妹と俺を。家族でここの海で遊んで、近くのレストランで飯食って。あまり出かけるのが好きじゃない親父が、この海だけはよく連れてきてくれた。親父とおふくろにとって思い出の場所だったみたい。俺が中学校に上がる前に両親が離婚したんだ……。兄貴と妹は母親と埼玉の方で暮らして、俺は親父と生まれ育った家で暮らした。親父は、俺が不自由しないように頑張ってくれたけど、いきなり親父と2人で暮らすのはやっぱり寂しかったな。教師になってから一人暮らし始めて、今は親父とたまにしか会っていないけど。親が離婚して以来、一回もここに来たことなかったんだ。



でも、お前が隣にいてくれれば……過去をしっかり受け入れられるかなって思った。」


「遥さん………。



悠斗さん!!!私はどこにも行きません。悠斗さんが望む限り、ずっとずっと悠斗さんのそばにいます。悠斗さんのご両親には、きっと一緒にいられなくなった原因があった。でもその分、子ども達に不自由ない暮らしをさせなくちゃって頑張ったご両親はとても素敵な方達ですね。悠斗さんもお兄さんも妹さんも辛い思いをたくさんしてきたと思います。


だから……幸せになりますよ!!!絶対に!!!

人生は 良いことも悪いことも平等にあるはずです!!悠斗さんには幸せがたくさん待ってます!!」


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