モラルハザード


「どうしたの?奈美ちゃん怖い顔して」


杏子が小首をかしげて近づいてきた。


品のいいワンピースはまたフォクシーのものだろう。


「ごめんなさい、ちょっと考え事しちゃってた」


ごまかしたところで、ドアがバッと開き、料理が運ばれていた。


同時に見たことのないような大きなケーキが運ばれてきて


子どもたちから可愛い歓声があがった。


向日葵が小さくジャンプして喜びを表している。


その姿をみながら私は決心した。



何があっても守ってみせる

この今の生活を。

向日葵のためにも…。



「さ、お食事しましょ」


私は杏子を促して急ぎ足でテーブルについた。
< 122 / 395 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop