モラルハザード
まさやくんのママはそう言って、まさやくんに目をやり、優しく微笑んだ。
飾り気のない親子だった。
ブランド物とは程遠いような服装は、プレ青葉の中で明らかに浮いていた。
しかし、まさやくんは、プレ青葉の中でも一番表情が豊かで
何より元気で子供らしくそれは目立ってわかった。
莉伊佐とまさやくんはいつの間にか、道端の花壇のところで遊びだした。
「こどもはすぐに友達になりますね」
まさやくんのママの言葉に、作り笑顔で微笑んだ。
そんな私たちの横をボルボC30に乗った薫さんが走り去った。