モラルハザード


「今から…って今日じゃないとだめ?」

はっきり言って、今、みっこちゃんと話す気分じゃない。

でも、みっこちゃんは引かなかった。


「どうしても、どうしても、真琴ちゃんに話したいことがあるの」


めずらしいことだった。

こんなに急な誘いは、いくらみっこちゃんだって今までしたことはない。


何かただ事ではない気がして、うちの近くの公園で待ち合わせ

子供たちを遊ばせながら、話すことにした。


みっこちゃんはうちから2駅先に住んでいるから、すぐに落ち合うことが出来た。


子供たちを砂場へ送ったら、うずうずした様子で

みっこちゃんが話し出した。


「ね、真琴ちゃん、奈美ちゃんのことだけど…」

話というのは奈美のことだった。



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