オレ様になりたくて…。
それから暫くして、出張に行ってたチャラ男が久しぶりに姿を見せた

ちょうど昼時で混雑する社食でアタシはこの春、入社したばかりの新人、瀬尾美優(せおみゆう)と一緒に昼ごはんを食べていた

アタシにとっては初めての直属の後輩だ


そこへややこしいのが早速やってきた


「か~おりん♪、ここいい?」


返事する前にもう座ってるし


「くっつくなって」


「かおりん、照れるなって」


「照れてねぇって」


「あのぉ~」


普段より1オクターブ高い声で瀬尾さんが言う


「どうしたの?瀬尾さん」


「えっとぉ~、お二人は付き合ってるとかですかぁ?」


「付き合ってない」
「付き合ってるよ」


ドスッ


「イテッ、かおりん脇腹結構、痛いんだぜ」


「はあ?」


「す、す、すいません…か、かお、じゃなくて、な、難波さん…様」


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