オレ様になりたくて…。



「きっと、太一はあなたの事、あきらめませんよ。だって、僕ですらさみしがり屋の太一に未だに振り回されていますから」


二人で同時に笑った


すると


結城さんがジッとして、と言うと急にアタシの顔にグッと顔を寄せてきた


えっ…


次の瞬間






「どういう事だよ。何なんだよ。ったくふざけんなよっ」


そう言うと、いつの間に来ていたのかチャラ男が馬に乗ったまま、走りさっていった






「参ったな。まつ毛を取ってあげただけなのに…」


それは、本当だった

結城さんは私の顔についていたまつ毛を取ってくれただけだった

それに、これほどまでにチャラ男を理解している結城さんが裏切る様な事をするはずがない

たまたまチャラ男が見た角度が、チャラ男を誤解に招いたのだ



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