オレ様になりたくて…。
「どーもこーも…ねぇよ…」
アタシはまだ息が切れていた
「いつまでも煙草吸ってるからだろ?だらしねぇな、紅の姫夜叉が」
と呆れたように太一が言う
「仕方ねぇだろ?運動なんかしてねぇし、それに思いっきり走らなきゃ怪物が追っかけてくるじゃん」
「怪物?…ああ、モンスター瀬尾かぁ」
私達に向かって何やら騒いでいた瀬尾さんの姿が浮かぶ
クスクス クスクス…
クックックックッ…
アタシたちは同時に笑いだした
ひとしきり笑った後、太一が急に真面目な顔して言った
「オレ、もうピエロはやらねぇよ?」
「うん、知ってる」
「それに、犬コロ扱いはごめんだ」
「うん、解ってる」
「それに、オレ様になんかなれねぇーぜ?」
「うん、ならなくていい」
ニヤニヤしながら太一が近づいてくる
「オレ、これからもチャラいけどいいの?」
「うっ…ん!」
チャラ男の…
太一の唇が私の唇と
重なった