この空に咲く

「そんな緊張しないで?」

自分の気持ちを悟ったかの様に言う千秋を勢いよく見上げると、そこにはまたあの王子様スマイルがあった。

(う〜その笑顔は弱いんだよね)

二階につくと、部屋が6部屋並んでいた。

「じゃあ一番端からいこうか」

そう言って一番手前の扉をノックする千秋。

二回程叩くと中から返事が帰ってきた。

「空いてるよ〜」

「姫、入るよ」

そう言って扉を開ける千秋。

(姫?!)

と驚く飛鳥。

「な〜んだ千秋くんか〜!ってあれ?その子まさか!」

明るい声が私を捕らえた。

「そうだよ。今日入寮するって言ってた境飛鳥さん」

千秋が説明し終わるとベッドの上に乗っていた人物はヒョイと飛び降り飛鳥のところに駆け寄ってきた。

両手で飛鳥の手を握られれば嫌でも驚いてその人物を見てしまう。

「か〜わいい♪結は、宮本結姫(ミヤモト ユイキ)!皆からは姫って呼ばれてるけど飛鳥は結って呼んで☆よろしくね!」

ニコッと笑う顔が堪らなく可愛い女の子。

髪は金髪に近い茶色で見るからに元気で活発そうな女の子。

肩までかかる髪の毛を二つに結んでいて、それがまた似合う。

「よろしくね」

結姫のテンションに押されながらも笑顔で挨拶を仕返した。


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