この空に咲く

「じゃあ次行くよ?」

千秋に促され結姫の部屋を出た二人。

千秋はもう次の扉に手をかけている。

「恭平?入るよ?」

そう言って中からの応答も聞かずに開かれた扉。

「あれ〜千秋くんじゃん。何?」

真っ赤な短髪をワックスで全体的に後ろに流した少年。

綺麗って言うより格好いい感じ。

「紹介するね。今日からこの寮に入る境飛鳥さんだよ」

千秋が飛鳥の背中を押して前に出した。

「あ、境飛鳥です!よろしくお願いします!」

「俺、橘恭平(タチバナ キョウヘイ)。よろしく☆」

そう言って見せた恭平の笑顔は千秋とは別の悩殺スマイル。

「じゃあ僕達、次行くから」

「うん。またの〜」

ガチャンと扉が閉まり恭平の部屋も後にした。


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