この空に咲く
「さて、と…ここは僕の部屋だから飛ばすね」
そう言ってもう一つ先の部屋に向かう千秋。
飛鳥も黙ってついていく。
「理乃?いる?」
次の部屋に着いて再びノックをする千秋。
「千秋?開いてるわよ」
中からは綺麗な声がした。
「入るよ」
そう言って開かれた扉の先には長い漆黒の髪を背中の半分まで伸ばした美少女が立っていた。
「うわ…」
(綺麗な子…)
「ありがとう」
「え?」
心の声に応答があった為、飛鳥は驚いた。
「私…声に出してましたか?」
そう言うと何も言わずにニッコリ微笑む少女。
「ッ////」
飛鳥は思わず赤面した。
「可愛い子。私は長崎理乃(ナガサキ リノ)。あなたは?」
「境飛鳥です!」
「飛鳥ちゃんね。飛鳥って呼ぶわ。」
そう言ってまたニッコリ微笑んだ。
「じゃあ理乃。僕達もう行くね」
「ええ。またね、飛鳥」
帰りざまに手を振った理乃に飛鳥は軽くお辞儀をして部屋を出た。