異国のアリス


「凄かったぁ!楽しかったね!ユズ!」

「うん……そだね…」


今の私の状態を一言で言ってしまえば、“ぐったり”。

この言葉が一番無難。


カイくんに乗せてもらい、「しっかり捕まっててね!」と、私の顔をした人が、すごくいい笑顔で言った。


理解する前に浮遊感がして、気がついたら猛スピードで空を飛んでいた。


私は振り落とされないようにカイくんの毛に捕まっていて、メグはすっごく楽しそうに騒いでいた。


私の顔をした人は、「あははー、たーのしー!」とかいいながら、すごく楽しそうに笑っていた。


あれは確信犯だと思う…。

思うじゃなくて、絶対。


< 15 / 55 >

この作品をシェア

pagetop