異国のアリス
「おっ、かわいい子がいる」
ライトさんの部屋の中から、男の人が出てきた
え…誰?
私がオロオロしていると、男の人の後ろからライトさんが出てきた
「あ、ユズ」
「ライトさん…えっと、お掃除に来たんですけど…、出直しましょうか?」
男の人をチラッと見ながらそう言った
男の人は、私とライトさんを見ながら、ニヤニヤしていた
ライトさんは、私をできるだけ見ないように、下を向いているみたいだった
私が頭の上に“?”を浮かべていると、男の人が口を開いた
「俺のことは気にしなくていいから」
「…?」
「とりあえず、こんなとこで話すのは何だから、中入りなよ」
まるで自分の部屋のように振る舞うその人は、ライトさんの腕を引きながら、私の背中を押し、部屋の中に入った