異国のアリス


しかし、私は一本道で来たにもかかわらず、なかなか林から抜け出せない。

これは、私の迷子スキルを恨むべきか、それとも、今ここにはいないメグを恨むべきか……。

どちらにしろ、このままでは本気でやばい…。


ケータイ片手に、とりあえず道らしい道を進む。


「いつまで圏外を見てればいいの……」


いまだに電波の入らないケータイを睨み、足を進める。


メグも見つからないし……ほんとにどうなってんの……。


若干涙目になりながら前を向くと、道が開けていることに気づいた。

この薄暗い場所から逃れたい一心で、私は光が射す場所まで走る。


「……っ!」


暗い場所に慣れた目には眩しく、目を細めた。
< 7 / 55 >

この作品をシェア

pagetop