異国のアリス
しかし、私は一本道で来たにもかかわらず、なかなか林から抜け出せない。
これは、私の迷子スキルを恨むべきか、それとも、今ここにはいないメグを恨むべきか……。
どちらにしろ、このままでは本気でやばい…。
ケータイ片手に、とりあえず道らしい道を進む。
「いつまで圏外を見てればいいの……」
いまだに電波の入らないケータイを睨み、足を進める。
メグも見つからないし……ほんとにどうなってんの……。
若干涙目になりながら前を向くと、道が開けていることに気づいた。
この薄暗い場所から逃れたい一心で、私は光が射す場所まで走る。
「……っ!」
暗い場所に慣れた目には眩しく、目を細めた。