異国のアリス


とりあえず、目の前で気持ちよさそうに寝ているメグに腹が立ち、頭を叩いてやった。


げんこつじゃないことに感謝してほしい。


「いっ!?たぁ〜!」

「起きろ馬鹿メグ」

「あ、ユズ」


「あ、ユズ」じゃないよ、私がどれだけ探したと……。


「……はぁぁあぁ」

「?ため息つくと幸せ逃げちゃうよ?」

「…………はぁ…もういいわ」

「…?あれ、てゆうか、ここどこ?」


いまさら?

てか自分の意志でここに来たんじゃないの?


そんな思いでメグを見つめていたら、何を思ったのか、「いやんユズったら!」とか言いながら顔を覆ったので、とりあえずデコピンをしておいた。


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