アイドルな彼をひとりじめ




そう。

こないだまで付き合っていた彼氏にすら名前でよばれた事なんて一度もなかった。



今考えたらそんなのおかしいのにね。


あの頃は付き合うことに必死できずけなかった。


私ってやっぱバカ。



頭に何か重いものが乗っかった。


れんれんの手だ。


優しく私の頭を撫でてくれた。



きっと何かを察したんだろう。


「片手で運転してると事故りますよ?」


「うるせぇ」


そう言ってれんれんは手をハンドルに戻した。




私、素直じゃないなぁ。


本当は嬉しかったのに。



「ねぇ、れんれん。これってデートなのー?」


「当たり前だろ」



って笑われた。


デートかぁ。



なんだか胸がくすぐったい。





「どこに向かってるのー?」


「着くまで内緒」


「えーー」


「いいから黙ってろ」



「は~い」




車は走り続けた。









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