アイドルな彼をひとりじめ
「これでよし。必ず電話でろよ?」
「は?」
電話?
れんれんが私に電話を?
あのアイドルのれんれんだよ?
そんなことを考えていると公園の入り口
の方からスタッフの声が聞こえた。
「れんさーん!いきますよー!」
「今いく。またな、泣き虫ちゃん」
れんれんはそう言い、手を振って
公園を出ていった。
私はまだ頭の整理ができなくて
座り込んでいた。
携帯のアドレス帳を開くと
"蓮汰"と入っていた。
これがあのアイドルグループ、
佐山蓮汰の連絡先。
一瞬、胸が高鳴った。
この先の運命なんてこの時は
これっぽっちも想像できなかった。
これがアイドル、佐山蓮汰との
出会いだった。