ゴーストバスターZERO
第1話(変身)
おっす!
俺の名前は零というんだ!!
人よりは霊感が強く、数々の事件を解決してきたんだ!
ピンチになると、守護霊の力をかりて、ZEROという
とんでもないヤツに変身するんだぜ!


普段は町の何でも屋をしてるんだよ…


俺の守護霊の天魔ってヤツは、霊界では、非常に位が高く、現世の浮かばれない霊を、霊界へと導く仕事をしてるんだ…


天魔との出会いは…


……この事件だった……


第1話(変身)


ルル…ルル…ルル…
(↑風邪にルルか?)
(↑北の国からか?)

ガチャ…

「まいど!何でも屋です!!」
(↑電話かよ!)


「……もしもし…」

「何すか?」

「うちの家にある古時計を棄てて欲しいんじゃが…」
「了解した~!まいどあり~」

「ワシは…4丁目の兼持といえば、みんな分かるはずじゃ…」


4丁目の兼持(かねもち)
って言えば…
大地主でめちゃめちゃ金持ちじゃねぇか~!
たんまりともらえるかな?(↑おい、ヨダレ拭けよ!!)
イッヒヒヒッヒ!!
(↑ディズニーに出てくる魔女か?)



早速、兼持家に…


もう…
一発で分かるくらい
だだ広い敷地
高い塀で囲まれていた…


門にインターフォンが…


ピンポ~ン、ピンポ~ン…
(↑お前はビンボーだけどな!!)


「…はい…」

「まいど!何でも屋です!!」

「…どうぞお入りください…」


ガガガ…ガガガ…


スゲぇ…
門が開いた!!

てか…

家が見えねぇし…


俺は愛車の
フェラーリという

オンボロ軽トラで
進入した…


木がスゲぇ!!
(↑木に驚いてるのか?)

車で走ること5分…

デカ過ぎる西洋館が見えた…


家もスゲぇ!!
(↑確かにな!!)


ん?

5階建ての1番右端に
立派なヒゲのじいさんが
スゴい形相で睨んでいた…

じいさんって書いたからか?
(↑ソコじゃないだろ!)

フェラーリで入ったからか?
(↑古時計を積むんだからいいんだよ!)


分かった!!
時間に遅れたからだ!!
(↑ちゃんと謝れよ!)
(↑時間?約束してたか?)

これまた
スゲぇ玄関の前に立ち
震える手で呼び鈴を押した…

ヒ~ンホ~ン…
(↑呼び鈴まで震えてるな)

ガチャ


スゥ~ッ
(↑スウィーツに見えた!!)


「な、何でも屋です!!」
(↑元気でよろしい!)


「お待ちしてました…」
「どうぞ…こちらの方へ」

おかしい…
さっきのヒゲのじいさんと違う人だ…

羊か?
(↑執事だ!!)


玄関の奥の正面には
無駄に横に広い階段があり、その壁には立派なヒゲのじいさんの肖像画が飾られていた…


さっきのヒゲじいさんだな!!
絵までも睨んでいるのか…
羊も大変だろうな…

ま、いいや!
早く古時計を回収して
トンズラするか…
(↑聞こえようには、泥棒に聞こえるぞ!)


階段の右横にある廊下を
羊の後ろをついていくと
やがて大きな扉の前で


「古時計はこの部屋にあるのですが…」


ですが?
なんだ?
続きを言えよ…


「中にあるものには
一切触らないで
古時計だけを運び出して
くれないか?」


なんだ~
そんな事か!
楽勝、楽勝!!


「分かりました!!」
「とっととやりますよ!!」

扉の鍵を開けて…
さらにビックリした!
高そうな骨董品が…

ところ狭しと並べてあった

スゲぇ!!スゲぇ!!
(↑さっきからそればっかだな!!)


触るなと言われて
触わり始めている俺
(↑ヤメとけ!!)

この置物なんか
ポケットに入る
サイズやし!
(↑悪いやっちゃな!)


羊もいないし…
(↑お前…泥棒しに来たんか?)


2、3個パクっても
分からんし!
(↑良い子は真似しないでね!)


これを売りさばいて…
鰹節ごはんが
納豆卵ごはんに
レベルアップするぜ!!
(↑それ以上の物が食えるぞ!)
(↑イカン、盗みはイカン!!)
(↑釣られたじゃねぇか!)


イッヒヒヒ…イッヒヒヒ
(↑ダメだ!!)


……

ボーン、ボーン、ボーン

ん?

3時か?

ヤベっ!?

早くしないと
犬の散歩の仕事が
間に合わない


まだ動いてたんだな?
古時計は…


重そうだな…

業者に頼めばいいのに…
(↑だから、お前が業者だ!!)


俺より
デカイな…


やるか!!


うー、うーん!

少し動いた…

床を引きずったら
傷がつくよな…

あっ!?


毛布が軽トラの荷台に

取り合えず…毛布を

「ちょっ待てぃ…」


は?

この部屋に誰かいた?


ヤベっ…

骨董品を
返さないと…


うっ…
金縛りか…
(↑まずいな…)


か、体が動かない…
お前…誰だ…
(↑お前こそ誰だ?)


体が、そのまま
古時計の方へ、


「貴様~ワシの時計をどうするつもりだったんだ…」

てか…
「ひ、羊から…処分を…」(↑よく言えたな!)

テヘッ!
(↑そんな場合か!!)


「分かった…帰り…ま」

このじいさん…
スゲぇ力を感じるぞ…
あの時から
見てたんだな…
(↑どうする?)


謝るしかねぇな…


「も、もう帰るから(泣)」
「ゆ、ゆるひてくらさい」
(↑刺激してんのか?)

の、喉を締められて
い…息が…

お…俺も…最後…か…
も…っと…楽し…い…事



(零…しっかりしろ…)
頭の中に声が…
(お主の守護霊の天魔じゃ)

金色の光の中に
牛若丸みたいな格好をした少年が…

呪文を唱えはじめ…
やがて、両手を天に向け
金色の光を吸収し
俺にめがけて光の玉を
投げた!!



もう…意識が…

光の玉が…

自分の心臓部に当たった


ドクッン…ドクッン…

心臓の鼓動が聞こえてくる

力がみなぎる…


ウォォォオオ~

体が変化した…

筋肉の増幅
闘う意志
ZERO降臨!!

勝てる…


金縛りを力で解除


人格が変わった…

爪が獣みたいに伸びた


ヒゲじいさんが


古時計の中より
現れた!!


「この世に未練を残してなお、現世の民を苦しめる輩は、ZEROが許さん!!」


え~っ!?
俺が言ってるし!!
じいさん刺激するなよ~



ヒゲじいさんの霊力は
古時計を宙に浮かせ
この俺にぶつける気だ…
ヤバイよ、ヤバイよ~(泣)

古時計は宙に浮き
目まぐるしく回転を
始めた…


そして…俺のところへ…
ごめんなさ~い…
冗談だから、帰るから…


古時計はさらに加速を
増して、俺をめがけて…



ヒャァ~…


ガッシャ~ン!!


ZEROになった俺は
いとも簡単に古時計を
玉砕していた


ヒゲじいさんの
気配が、同時に消えた…



「ZEROって言うのか…
ありがとうな…助かったよ…もう帰るから…俺から、離れてくれよ…」


(まだだ…ヤツは今、肖像画の中にいる。今のうちに、封印して霊界に送らないと…)


マジかよ…

あっ!?

走ってる…

ZEROが入ると、自分の意志とは関係なく動くのか…



階段を上り…

そのままジャンプ

自分の人差し指を噛み
血を流し、肖像画のじいさんの、ひたいに謎のマーク


肖像画のじいさんが青い炎に包まれ、苦悶の表情を浮かべた!!


ひとしきり炎が燃え
肖像画のじいさんが
優しい顔に変わった…


「ZERO…終わったんだな」
(あ~そうだ…じゃあな!)

ZEROが体から離れたと
同時に、家の中が朽ち果てていった…


自分は、廃墟に1人佇んでいた…

「チェッ何だよ…タダ働きかよ…パクとけば良かった…」


こうやって…
守護霊天魔と
ZEROの物語が始まった…


第一話 終
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