ゴーストバスターZERO
第12話(一度きりの降臨)
おっす!
今、俺は霊界で修行の身
中々、手こずったけど…

早く試練をクリアしないと俺の肉体が腐ってしまうらしい!
鮮度が命かな?
(↑魚屋か?)

後、2つか…

こうなったら…

やるしかないっしょ!!



……第十二話(一度きりの降臨)……


ウァァアアー!!


奈落のソコに…



落ちて…


行く~!!


まだか…


長いな~


腹減ったな~


もうどれくらい

落ちてるんだ?


スカイダイビングか?


いつの間にか

恐怖心が消えていた


手を広げて

落ちて行く

モモンガ~!!

何か見えた…


アレは?


現世だ~!


早いな~

俺の肉体に…

ダイブか?



ち、違う…


少年の肉体に…


ひ、憑依?

何が起きたんだ?


今、
少年の身に危険が
迫っていた…


な、なんじゃありゃ!!


少年は…
心霊スポットの
幽霊トンネルに
1人取り残され…

炭鉱夫の霊団に
襲われていた…


少年は…
自ら進んで
ソコに行った訳ではなく
悪友のイジメにあい
ここまで連れて
来られたらしい…


少年の体が宙に浮き
トンネルの天井に張り付けられていた!!


クソッ
ヒドイ事しやがって…


(零よ…次の試練は…)
(あの少年を助け、炭鉱夫の霊団を成敗するのじゃ…)


「分かってる」
「どうすればいい?」

(これが第2の試練じゃ)


「おい?天魔~!」
「天…魔…?」

一瞬金色の光に包まれた俺
天魔は…

俺が包まれた
金色の光の玉を

少年の心臓部へ
投げ込んだ…

うおおお~っ!
スゴい
スピードで…
少年の体に入った


ドックン…ドックン…
俺の鼓動と少年の鼓動が
シンクロした…


その時…

獅子覚醒した俺


雷恩降臨!!

ZEROもこんな感じだったのか…


複数の手を振りほどき
地面に着地し

ゆっくりと立ち上がった
俺は


「さ迷える霊よ!何が悔しくてこの世にとどまり、罪も無い人達に悪行を働くとは、ZERO…あ、間違えた…雷恩が許さん!!」
(↑もう~途中まではよかったのに~)


戸惑っている少年が
拒否反応を起こしてる…


早くやらないと…


少年よ…
頼むから俺に
体を任せてくれないか…

「イヤだ~!怖いよ~!」「ケンカした事もないし!」
「出ていってくれよう~」
(少年よ…お前の命が危ないんだぞ!!)
(このまま、ヤツらにやられっぱなしでいいのか?)

「早く家に帰りたいよ~」
(だったら、なおさらだ!!)(てか…よく泣くヤツだな!)


あっ!

さっきの複数の手が
さらに、数十本の手に

少年の首
肩、腕、太もも、両足
全てを絞め上げてきた


(少年!!俺を受け入れろ!!)(必ず家に返してやるから!!)

だが…
少年の心の中には
闘志、悔しさというのが
これっぽっちもなく…


俺を拒否した事で
体を自由に操れなかった…

そして…
少年の…

鼓動が…

段々と弱くなり

目が白くなり…

その目から…

一筋の涙がこぼれ落ちた


(少年~!!大丈夫か~!)
(しっかりするんだ!!)
(お前…その涙は…)
(本当は、悔しいんだろ!!)(俺にも分かるよ…)


「…僕…このま…ま」
「…死に…たく…な…い」
生への執着が生まれた!!

(このままやられるのは…)(イヤか?…(泣)


「イ…イ…ヤ…だ…」


それを聞いた俺と
少年の体が
完全にシンクロした


(少年…時間かけさせやがって…)


うぉりりゃー!!

力任せに…

数十本の手をほどき

霊団の首領を見極めた…


どうする…

憑依した俺には

血文字の梵字が書けない


俺には雷電拳がある


少年の体が極限状態に
なってるし…

雷電を溜め始めた
天空より
雷神が現れ

スゴいパワーが
右手に集まった!!


(少年!!見えるか?)
(この大きな霊団が…)


「黒くて…大きな…」
「一番…顔…が…デカイ…アイツ…か?」

(そうだ…これだけの数の顔の中で、よく、分かったな…てか…お前…見えてるのか?)
(よし、この拳をアイツにぶつけようぜ!)

「う…ん!!」
(いくぞ~!!)


「雷電拳!!」
(雷電拳!!)


オォォリリャ~


ジャンプした俺達は
炭鉱夫の首領の顔に
見事にヒットさせた!!


ヤツは…
苦悶の表情になると
それを中心に
輪のようになり
周りを囲む顔という顔が
波紋状に青い炎に包まれ
消えていった…


(終わったな…)

「ありがとう…」

(もうちょっとだけ、体を借りるぜ…)

「うん!!」


俺は少年を家まで
送り届けたかった


「スゴい!!速いよ~!」

(そっか…よかったな!)



「あっ!」

(どうした?)

「アイツらだ!!」
「僕をあのトンネルに置き去りにしたんだ…」


(俺が助太刀しようか?)


「いいよ…自分でやるよ…」

(怖くないか?)


「そりゃ怖いけど…」
「僕にライオンさんが教えてくれたんだよ…」

(ライオン…雷恩まぁいいか、発音一緒やし!)


「フフフッ!」
(ヘヘヘッ!)


(よ~し行くか!)

「うん!!」
「さっきはよくも~」
「スゴく怖かったんだからね~」

少年は、
初めてのケンカで
3人に向かっていった


いじめられ続けた
少年…

もちろん…

結果はボコボコに

でも

殴られても
殴られても

リーダー格のヤツに
向かっていった

少年は
リーダーのヤツに
雷電拳と言いながら
ピヨピヨパンチを当てた

その後は…


ご想像に任せるよ!!


ボロボロになった少年を
無事に家へと送り届けた


任務完了か?


(零よ!!お主…時間がないと言っておったやろ?)
(次の試練が、お主にとって最大の試練だと言う事じゃ…)
(はよう行け!!)


少年から離れた俺は

また天空に吸い込まれて
行った…

アバヨ~少年!!

でも…最大の試練とは?
俺はどうなってしまうんだ?



第十二話 続く
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