ゴーストバスターZERO
第3話(止まらない…)
おっす!俺の名前は零と言うんだぜ!
人よりかは霊感があるんだけど、ピンチになると
守護霊の天魔ってヤツの力を借りて
ZEROという、とんでもないヤツに変身して、悪霊を
やっつけるんだぜ!!


そのせいか、色んな事件に巻き込まれてるんだ…


……第三話(止まらない…)

昼ドラってハマるな…
特に韓国ドラマは、一度見たら続きが気になるから
ついつい、見逃せないんだよ…
(↑主婦か?)
(↑優雅にTV見てないで、営業に行って、仕事取ってこい!)


だって、唯一の楽しみだから~(泣)
(↑やる気あんのか?)


俺、グンソクになりたい!
(↑その前に人間になれ!)(↑軍足の方が合ってるぞ!!)


グゥ~キュルキュル…
(↑ファックスか?)

腹減った~
(↑なら、働け!!)


ルル…ルル…ルル…ルル
(↑電話だぞ!)
(↑仕事か?)


ガチャ…

「まいど!何でもあります!」
(↑百貨店か?)
(↑台詞間違っとるし!)


「もし、もし…何でも屋か?」

コイツ上から目線やな~
(↑馬鹿!相手は客だ!!)

「あ、はぁ…そうですが…」
(↑シャキッとせんか!!)


「今夜、仕事を頼みたいんだか…来れるか?」

「え~っと…友達も誘っていいですか?」
(↑当日企画の合コンか?)

「貴様…ふざけてんのか?」

(↑そうなるよな…)


「別に…」
(↑エリカか?)
(↑その辺でヤメロ!!)


「フフッ…気に入った!」
(↑え~?なんで~?)

「それ…は、ど…ぅも…」(↑ビビるなら、最初からすんなや!!)


「今夜、腹黒先生を料亭に送迎しなければ、ならなかったが、運転手がいきなり倒れて、誰も代わりがいなくてな…」
「今夜の仕事は、極秘で頼む…礼は弾むぞ…いいな…」


「お安い御用なり~!」
(↑胸が弾んだんだな…)


「場所は…腹黒事務所から料亭大鶴までだ…」
「先生は時間に厳しいから7時には出発するからな…それと…車は事務所の地下駐車場に停めてある、黒のセンチュリーだ…鍵はつけてあるからな…」

(↑政治家となると…金の使い道は、半端ねぇな…)

「お任せ下さい!必ず伺います!」


料亭か…

密会か…

何を企んでやがるんだ?



俺は愛車フェラーリを
事務所から離れた公園に停めて徒歩で地下駐車場へ…

んだょ…
軽トラだぞ…
品位が落ちるから
公園に停めろてか?
フェラーリだぞ!!
(↑オンボロ軽トラだぞ!!)

事務所入り口のエレベーターを押して地下へ…


ピンポ~ン
ウィ~~ン…



ウォっ!!
スゲ~!


地下駐車場には
15台の高級車が
展示場みたいに並べられていた…


ポルシェ
ランボールギニー
ベントレー
フェラーリ(泣)
(↑本物を見て悲しくなったか?)


てか…

異様な雰囲気だ…


なんだか…
空気が重く感じる…
なんだか…
圧迫感が…


ヤベェ…

5分前だ!

センチュリー…
センチュリー…
あっコレだな!


車のドアを開けて
乗り込んだ…

本革シートの匂いに
酔いしれながら…
事務所入り口に車を着けた

セーフか…
よかった!!
エヘッ!
(↑オチャメか?)


まだ大先生は来てないな…

コンコン…


うぁっ!
ビビった~!

何だオッサン!
電話してきたオッサンか?

「はい?」


「1つだけ言い忘れたが…先生とは、一言も話すな!」
「分かったな?」


「…了…解な…り…」
(↑まだビビってる?)


オッサンがそう言って
消えていった後…


大先生のお出ましだ…

ブクブク太ってるな~
旨いモノばかり食ってんだろうな…

後ろに座った瞬間を
バックミラーで確認した

今、ほっぺた…
ブルッてなってたな…
ブルドックか?
俺がスパイクって呼んでやるぜ…
(↑心の中でだろ?)
ケヘッ!


料亭までは
峠を越えて
約一時間位か…

まぁいいか…


だんまりはなれてるし
妄想で、スパイクをイジリ倒してやるぜ!!


この季節にもなると
陽が落ちるのも早くなり

峠に差し掛かった時には
漆黒の闇を、スパイクと
ドライブしていた…


何事もなく…
料亭大鶴に着けた!!

こんな時って…
降りて行って、
ドアを開けて
やるんだろうな…


俺は、降りて行って
スパイクを犬小屋へ
案内した…

間もなく中居さんが
封筒を持って来た


「どうぞ…先生からです。」

「あ、どうも…」

「三時間後に、またここでおいで下さい…」


「あ、はぁ。」

封筒を開けると
な、なんと!!

諭吉さんが三十人いた…


スパイクさんも案外いいヤツだな…
(↑さん付けしてるし!)

腹減ったので
近くの定食屋へ
奮発してメガ盛りの
親子丼を平らげた…
(↑貧乏性やな~)

軽く仮眠をとるため
車へ向かった…


誰か…乗ってる…

鍵はかけたし…

若いサラリーマン風の
男だった…


倒れた運転手か?


俺は車に近づき
鍵を開けると…
男は消えていた…


あれって…
またかよ…

確か…スパイクさんが
座った所にうつ向いた
まま、居たよな…


運転席に座ってみると
気配が消えていて
気にしない素振りで
どっかの変なヤツが書いた実録夢物語を読んでいた…

これ書いたヤツ
アホだな~
プリチー少年boyと同じ位
アホな事書いてるな~
(↑そんな事言ってると、今日で最終回になるぞ!!)


あっという間に
時間がすぎ
スパイクを迎えに行った


よし!
間に合った!!

数分後…


スパイクが乗り込んで
来たが…


酒臭いな~

ウッブルブル~

いっちょ前に酔ってやがる…


さあ…
帰るぞ!!

車を走らせて間もなく
道の表情が違って見えた


この道で合ってるはずだが…

やたらとカーブが多い


ウッ…

ハンドルが重くなったか

カーブを曲がろうとすると
ハンドルが異様な重さに


危うくぶつかりそうになる

マズイぞ…

車を傷つけたら…
(↑弁償出来るか!)

このまま…
ガードレールを越えたら
(↑間違いなく…)
(↑スパイクと)


お~っと!


まただ…

スピードがあがり…
加速していく…

ヤバイ…


ブレーキが効かない…

車は何かに取り憑かれた
別の意思を持った物に
変化していた…


もう無理だ…

次のカーブが来たら

俺は…

間違いなく…

やられる…

スパイクは…爆睡か?

イヤだ~!!


(零、聞こえるか?)

「牛若少年か?」
「何とかしてくれよ~」

(牛若、牛若って誰じゃ!!)
(お主は守護の名前も覚えんのか?愚か者めが!!)

「天魔だろ!早くしろよ~」

(分かった、一刻も早くしないと危ないな!)
(受けとれ!!)


天魔が投げた金色の光の玉が俺の心臓部へあたった!


ドックン、ドックン…


筋肉の増幅
みなぎる闘志


ZERO降臨!!


「生きながらにして怨みを抱き、なおかつ霊に姿を代え、人の命を狙うとは、このZEROが成敗する!!」


「てか、お前運転出来るのかよ…」

(運転とはなんだ?)

……泣

(零よ…お前が動きたい事を強く念じるんだ…)


「分かった…」
「こうか…」

(零よ…スパイクってなんだ?)


「後ろに寝てる、ブルドッグだ…」


(零よ…それ悪口か?)


「だったら、何だよ!!」

(そいつ…起きてるぞ!)

「は?…い?」

(金縛りにかかって動けないだけだ…)

「( ̄▽ ̄;)」


あっ!
カーブだ!!

こうか!!

楽々クリアした…


ブレーキかけるぜ…


スピードダウンした!!
キャッ!!


峠がそろそろ終わるはずだが…


(車って物を止めてくれるか?)


オリャ~!…


車が簡単に止まった…


あっ降りてるし…

スパイクを降ろすのか…

お姫様だっこかよ~(泣)


「ZERO…金縛りは解いてやらないのか?」

(終わってからだ…)
(気が散るからな…)


ZEROは車を取り囲み
ながら…

呪文を唱え始めた…


やがて車から湯気が立ち上がり…


怨みを抱いたデカイ顔と
それを取り囲む
数十体の顔が浮かび上がってきた…


「ZERO~車には傷をつけないでくれ」


(分かっておる!)


ZEROは両手を広げ
天魔が投げた金色の光を 俺の体から出して
金色の刀を作り上げた


(妖刀破邪の完成だ!!)

ZEROの一太刀で畳み三畳分もある顔と数十体の顔が
一瞬にして、青い炎を上げ消えていった…


ZEROはその後スパイクの背中に渇をいれた…


何故かスパイクの目には
涙が溢れていた…


「何があったんだ?」

(あの男は、人を苦しめ企業を潰し、何食わぬ顔をして政治を行ってきた)
(人の怨みの念が数十体の霊団を作りコイツを殺めようとしてたんだ…)
(言わば、生き霊だった)


「そうか…」

(あの男には悪の魂があったから、ちょっと細工したからな…じゃまたな!)


腹黒スパイクも
これでいい政治を
してくれるんだろうな


俺はスパイクを車に乗せ
無事に仕事が終わった…


今日はスパイクを見たから、たまにはDVDのトムとジェリーでもレンタルして
帰ろうかな!
(↑つかデッキ持ってないじゃんか!!)

エヘッ!!


第三話 終
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