蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
「・・・秋月。障害の内容を教えろ」
「・・・」
「どういう障害だ? マスタ系か? それともトランザクションか?」
雅人の質問に、絢乃はヒィと背筋を強張らせた。
───まずい。
これはかなり、マズイ。
これで何でもありませんなんて言った日には、確実に雅人の雷が落ちる。
下手したら雷では済まないかもしれない。
絢乃はビクビクしながら口を開こうとしたが、何をどう言えばいいのかわからない。
雅人は俯いた絢乃に、いつもの低く冷静な声で言う。
「・・・説明しろ、秋月」
「・・・」
もう、ここまでだ・・・。
絢乃は雷を覚悟し、震える唇を開いた。
「・・・あの。すみません。障害は出てません」
「・・・何?」