蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
雅人の言葉を、絢乃は魂が抜けた表情で聞いていた。
つまり・・・
───罠、だったのだ。
あの日。
・・・雅人とともに帝国ホテルを出た時。
絢乃は罠の中に足を踏み入れていたのだ。
そして絢乃は自分でも知らないうちに、その甘美な罠に捕われていた。
───そしてもう、抜け出すことはできない。
でも、どうして・・・。
絢乃は震える唇を開いた。
「・・・北條さん、どうして、そんな・・・」