蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
と、戦慄く声で言った絢乃を。
雅人は正面から真っ直ぐに見つめ、言った。
「・・・お前が、好きだからだ」
雅人の瞳越しに、真摯な想いが伝わってくる。
・・・絢乃の心に真っ直ぐ差し込む、その想い。
絢乃は胸に熱いものがこみ上げてくるのを感じた。
目尻に涙を浮かべた絢乃を、雅人の腕がぐいと抱き寄せる。
絢乃はなすすべもなく、雅人の胸に転がり込んだ。
「お前が好きだから、お前を手に入れたいと思った。・・例えお前を罠にかけても、な」
「・・・北條さん・・・っ」
「お前を逃がす気は最初からなかった。お前が帝国ホテルに来た時から、俺はお前と結婚するつもりだった」