蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~



雅人の言葉が、絢乃の胸を熱く溶かしていく。

雅人は絢乃の背に腕を回し、力強く抱きしめた。

・・・その腕も、頬に触れる固い胸も、耳に心地よいこの声も・・・

全てが、切ないくらいに愛おしい。

雅人は絢乃の背に回した腕に、さらに力を込める。


「絢乃。・・・俺はもう、お前を離さない」

「・・・っ、北條さん・・・」

「『雅人』だ。─── 今さら足掻いてももう遅い。諦めろ」


雅人の唇が絢乃の唇に重なる。

・・・熱を帯びた、柔らかい甘美な唇。

これも、罠なのだろうか・・・。

でももう、絢乃の身も心も、この甘い罠に捕われてしまっている。

・・・もう、抜け出せない・・・。

絢乃は雅人の腕の中で、そっと目を閉じた。



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