蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
雅人は涙ぐんだ絢乃の額にそっと口づけ、絢乃の顔を覗き込んだ。
その目に浮かぶ、揺らめくような熱情。
「・・・悪いが、俺も年齢なりの場数は踏んでいる。18の子供に負ける気はしないな」
「・・・っ」
「子供と大人の違いを、お前に教えてやろう」
雅人は言い、絢乃の服のファスナーに手を掛けた。
びくっと体を震わせた絢乃の右手に安心させるようにそっと指を絡め、もう片方の手でゆっくりとファスナーを下ろす。
ぎゅっと目を瞑った絢乃だったが、右手から伝わる雅人の温かさに、肩から力が抜けるのを感じた。
・・・祐司とは全く違う、優しい手。
この手はきっと、絢乃を傷つけるようなことはしない。