蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
『絢乃。来週から今後の予定を詰めていく。毎週土曜、いつもの時間にここに来ること。いいな?』
『はい・・・』
恐らく入籍や結婚の細かい予定を決めていくのだろう。
それにしても・・・。
一か月ほど前までは、まさか雅人と婚約することになるとは夢にも思っていなかった。
考えてみれば超スピード婚だ。
けれど3年間同僚として過ごしてきたので、お互いの性格などはよくわかっている。
ただ、恋人として過ごしたのは昨日の夜が初めてだ。
───そして。
絢乃は恋人としての雅人に、急速に惹かれていくのを感じていた。
たまに見せる少し意地悪な面も、そして絢乃を組み敷いた時の情熱も・・・
雅人が自分に見せる表情、態度の全てが鮮やかで、心奪われてしまう。
それにしても・・・・。
自分が思っていた性行為と、雅人が教えてくれた行為は、まるで別物だった。
大学の時のあれは何だったのだろうと思ってしまう。
昨日、散々喘がされた後、雅人はくすりと笑って言った。