蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
「こちらのカードキーであちらの奥にありますゲートをくぐり、中にお入りください。右手の方に行きますとエレベーターホールがございます」
「は、はい」
「エレベーターで5階にお上がりになりましたら、正面の来客室にお入りください。なお、このカードは来客専用ですので、5階の来客スペースにのみ入ることが可能です」
「・・・」
「来客室にて、経営企画室の大塚より秋月様用のICカードを渡すことになっております。それでは、あちらのゲートからお入りくださいませ」
受付嬢はにこりと笑い、ゲートの方を手で示す。
絢乃は礼を言い、ICカードを片手にゲートの方へと向かった。
・・・なんというか、想像以上にハイテクだ。
絢乃は受付嬢に言われたとおり、5階へと向かった。
正面の来客スペースの前で軽く息を整え、コンコンと扉をノックする。
ガチャっと扉を開けると、中に一人の男性が座っていた。
「秋月さんですね。どうぞ」