蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
3.覚悟を決める
15:00。
絢乃は銀座にある喫茶店の一角で、雅人と対峙していた。
コーヒーカップを持つその手はプルプルと震え、ソーサーがカタカタと音を立てる。
───あれから。
驚きのあまり呆然自失になった絢乃の横で、雅人は運転手に行先を変更し銀座に向かうよう指示を出した。
銀座のとある喫茶店の前で、彫像のように固まった絢乃を無理やり降ろし、自身も降りる。
『・・・入るぞ、秋月』
雅人は喫茶店のドアを開け、絢乃の背を押して中に入れた。
そのまま腕を掴んで、窓際の席へと歩み寄る。
ソファー側の席に絢乃を座らせ、雅人は二人分のコーヒーを注文した。
そして・・・。
『今から俺が言うことをしっかり聞け。いいな、秋月?』
の言葉とともに。
雅人は、自身を取り巻く事情について絢乃に説明した。
そして一通りの説明を聞き終わった後。