蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
───恐らく結婚すれば、親族達から絢乃は仕事を辞めるべきだと言われるだろう。
けれど雅人は、極力、絢乃が望むようにさせてやりたいと思っている。
仕事を続けるにしても、家に入るにしても・・・。
そのあたりのことも、これから詰めていかねばならない。
やることは、いろいろある。
一つずつ、着実にこなしていかなければならない。
そう思う心の片隅で・・・雅人の心には、不安の影が付きまとっていた。
絢乃とは婚約を交わしたものの、まだ恋人同士となって日は浅い。
しかも自分は、絢乃を罠にかけ、半ば強引に自分のものにした。
そのことを後悔はしていない、が・・・
絢乃は本当に、自分を愛しているのだろうか。
ただ、流されているだけなのではないか?
・・・強引に手に入れた報いなのか・・・
押さえきれない不安が、胸に付きまとう。