蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
絢乃は席を立ち、エレベーターホールの方に足を向けた。
13階の購買で、甘いものでも買おうか・・・
と思いながら歩いていた絢乃だったが、秘書室の扉があいていることに気付き、眉を上げた。
───見ると。
愛美が、じっと唇を噛みしめてノートパソコンの画面を見つめている。
その眼にはうっすらと涙が浮かび、マウスを握った手は震えている。
その尋常ではない様子に、絢乃は眉根を寄せた。
・・・具合でも悪いのだろうか。
とちょっと心配になった絢乃は、ドアをノックし、秘書室の中に入った。
「・・・っ、あなたは・・・っ」
愛美は絢乃の姿に、驚いたように目を見開いた。
絢乃は愛美の傍に歩み寄り、愛美を見下ろした。