蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
五章
1.忙しい日々
2月上旬。
絢乃は北條商事の経営企画室で、忙しい日々を送っていた。
まだ絢乃は経営企画室の仕事を一通り学べたわけではないが、システムの能力が必要になる仕事の大半が絢乃に回ってくるようになっていた。
「秋月さん。この資料なんだけど、毎月同じファイルからデータをコピーしてるんだよね。何か、この手間を省ける方法ってないかな?」
「それでしたら、エクセルにマクロを仕込むか、月次処理にファイル作成の処理を仕込むといいんじゃないでしょうか?」
「それって、すぐにできる?」
「明日の昼くらいまでには、ざっくりとならできると思います」
「じゃ、それ、よろしく~」
慣れてきたからなのか、大塚もポンポンと絢乃に仕事を振ってくるようになってきた。
そして、昼になると・・・。
「絢乃さん! 今日は洋風定食の日ですよ!」
「・・・あ、愛美ちゃん」
「早くいかないと席が取れませんよ! 大塚さんも一緒に来ますか?」
「そだね、行こっかな」