蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
そして昼休みは愛美や大塚と過ごし、外出することが多い雅人とは会う機会はほとんどない。
雅人もまさか、愛美があれほどまでに絢乃に懐くとは思ってもみなかった。
最初は絢乃が愛美に嫉妬するだろうかなどと思っていたが、雅人の想定とは正反対の状況になっている。
仲が良いのはもちろんいいことではあるが、多少複雑な気持ちもある。
そんなことは、もちろん絢乃には口が裂けても言えないが・・・。
グランツにいた頃とは変わってしまった、二人の距離感。
絢乃は平日、仕事で忙殺され、そして夜はマンションに帰る。
───慧の待つ、あのマンションへ。
「・・・」
土日に会えるだけで充分だと、付き合い始めた頃は思っていた。
週末を共に過ごせるだけで、十分幸せだと・・・。
けれど今は、もっと会いたい、もっと一緒にいたいと思ってしまう。
土日だけではなく、平日も共に居たい。