蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
雅人に手招きされ、絢乃は机を回って雅人の椅子の傍に歩み寄った。
───瞬間。
「・・・っ!?」
腰を後ろから引かれ、絢乃は雅人の膝の上に座る形になってしまった。
慌てて立ち上がろうとした絢乃の腰に、すかさず雅人が腕を回す。
その強い腕の力と、背後から香る爽やかなグリーンノートの香りに、絢乃は体の芯がビクッとするのを感じた。
「・・・あ、あの・・っ」
「疲れた。───補充させろ」
絢乃の首筋に、雅人の唇がそっと押し当てられる。
・・・絢乃は、首筋から後ろの肩にかけてのラインが弱い。
感じる部分を唇と吐息で刺激され、絢乃の頬がしだいに赤く染まっていく。
「・・・あ、・・・んっ・・・」
喘ぐと同時に、絢乃の胸に雅人の手が触れる。
服の上からぐいと胸を掴まれ、絢乃は背筋を仰け反らせた。
雅人はそんな絢乃の首筋に繊細なキスをしながら、片手をスーツの前ボタンに伸ばす。
衣擦れの音とともに、ボタンが一つ、また一つと外れていく。