蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
「初日からあまり根を詰めても続かないか。・・・絢乃、今日はここまでだ。続きは来週の土曜だ。今日と同じ時間にここに来い」
「・・・・」
絢乃は疲労困憊の体でコクリ、と頷いた。
・・・やはり鬼軍曹だ。
絢乃は大きなため息をつきながら立ち上がり、雅人が作業していたパソコンデスクの周りに目をやった。
パソコンデスクの周りには物流システムの資料が所狭しと並んでいる。
どうやら引継資料を作っていたらしい。
「北條さん。・・・じゃなかった、雅人さん」
「なんだ?」
「引継は・・・どうするんですか? 誰に・・・」
とつい聞いてしまった絢乃に。
雅人は物流システムの資料を眺めながら、口を開いた。
「まだ本決まりではないが、恐らく加納になるだろうと思っている」
「・・・え?」
「加納以外に引き継げそうな人材がいないからな。恐らく加納が、第一開発課の課長も兼務することになるだろう」
「・・・え、ええぇ!!?」