蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
母屋の玄関をくぐるなり、玄関に並んでいたエプロン姿の3人の女性たちが、がしっと絢乃の腕を掴む。
え? と驚く絢乃に、雅人は少し笑って言った。
「今日は勉強の予定だったが、急遽政財界のパーティが入った。お前も付き合え」
「・・・え、えええっ!!?」
「立食だからあまり堅苦しいパーティでもない。衣装や小物はこちらで用意してある。・・・では頼む」
雅人は言い、くるりと踵を返した。
そのままスタスタと離れの方へと歩いていく。
絢乃は3人の女性たちに脇の部屋へと引きずり込まれながら、唖然とその背を見つめていた。