蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
「でも・・・第一の皆さん、かなりショック受けてましたね・・・」
「あの会議の後、加納が『後追い自殺禁止令』を出してから辞めてくれと言ってきた。課員の心のケアについては、俺も少し考える必要があるかもしれんな」
「・・・」
カリスマでいるのも大変だ、と絢乃は心底思った。
雅人は責任感が強い分、なおさら大変だ。
と絢乃が思った時。
首の後ろで、何かが引き攣れるような痛みが走った。
「いた・・・っ」
どうやらネックレスが髪の生え際に引っかかってしまったらしい。
絢乃は慌てて解こうとした。
・・・が。
「・・・あれ? ・・・イタタッ」
首の後ろのせいか、なかなか取れない。
取ろうとすればするほど、絡まっていくような気がする。
悪戦苦闘していた絢乃だったが、ふいに肩を掴まれ、ぐいっと窓の方を向かされた。
息を飲んだ絢乃の首筋に、少しひんやりした指先が触れる。