蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
3.雅人の忠告
───18:00。
絢乃は雅人とともに、会場内を回っていた。
雅人は優雅な、慣れた様子で絢乃をエスコートする。
絢乃はこういったパーティに来たことはない。
けれど雅人のエスコートのお蔭で、あまり不安を感じずにパーティに参加することができた。
会場はホテルの披露宴会場を貸し切って行われたもので、どうやら建設業界のパーティのようだ。
絢乃には詳しいことはよくわからないのだが・・・。
会場の至る所に花が飾られ、会場の端の方にビュッフェ形式の軽食や飲み物が置かれている。
「・・・何か飲むか、絢乃?」
「あ、いえ・・・」
緊張のせいか、あまり食欲がない。
軽く首を振った絢乃を、雅人が少し心配そうに見る。
と、そのとき。