蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
やはり紳士だ、と思いながら絢乃はバッグを開けた。
携帯を取り出し、着信やメールがないかを確認する。
・・・と、その時。
絢乃は耳に違和感を感じ、ん? と首を傾げた。
「・・・あれ、ない?」
右耳につけていたハズのイアリングが、なくなっている。
絢乃の顔がさーっと青ざめた。
・・・マズイ。
絢乃は慌てて携帯を置き、立ち上がった。
辺りを見回してみるが、イアリングは見当たらない。
会場か、廊下で落としたのだろうか・・・。
絢乃は慌てて控室を飛び出した。