蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
その日の夜。
絢乃はベッドの上に横になりながら、あの控室でのことを思いだしていた。
───雅人にキスされたのは、二度目だ。
けれど、まさか・・・あんなに突然、あんな激しいキスをされるとは思ってもみなかった。
思い出すだけで、胸がドキドキする。
絢乃はブンブンと首を振り、天井を見上げた。
『仮の婚約者』だとわかっていても・・・。
あんなに丁寧に扱われ、あんなキスをされ・・・そしてあんなことを言われたら、心揺れずにはいられない。
・・・これまでも、雅人に尊敬の念は抱いていたが・・・
こうして一緒に過ごしていると、どんどん心が惹かれていく。