蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~



翌週の土曜。

絢乃は雅人の家の離れで、勉強に没頭していた。

だいぶ知識は身についてきたが、学ばなければならないことはまだ多い。

雅人がどういう世界で生きてきたのか・・・。

知れば知るほど、驚きとともに尊敬の念が増していく。

そして・・・。


「・・・」


雅人はパソコンデスクのところで、引継の資料を作っている。

このところ、雅人は卓海とともに会議室に籠ることが多くなった。

どうやら引継の作業をしているらしいのだが・・・。

卓海もこの頃は引継作業で忙殺されているらしく、絢乃に声をかけてくることはない。


絢乃は書斎机の上に広げた資料に視線を戻した。

そのとき。

コンコンというノック音の後、ガチャっと部屋のドアが開いた。


< 72 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop