蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
翌週の土曜。
絢乃は雅人の家の離れで、勉強に没頭していた。
だいぶ知識は身についてきたが、学ばなければならないことはまだ多い。
雅人がどういう世界で生きてきたのか・・・。
知れば知るほど、驚きとともに尊敬の念が増していく。
そして・・・。
「・・・」
雅人はパソコンデスクのところで、引継の資料を作っている。
このところ、雅人は卓海とともに会議室に籠ることが多くなった。
どうやら引継の作業をしているらしいのだが・・・。
卓海もこの頃は引継作業で忙殺されているらしく、絢乃に声をかけてくることはない。
絢乃は書斎机の上に広げた資料に視線を戻した。
そのとき。
コンコンというノック音の後、ガチャっと部屋のドアが開いた。