蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
───言葉とともに。
絢乃の唇に、雅人の唇が降ってくる。
・・・想いを伝えるかのような、温かく優しい口づけ。
絢乃の胸に熱いものが湧き上がり、それは涙となって目尻に溢れた。
・・・もう、この想いを隠すことはできない。
雅人は絢乃の目尻の涙を拭い、じっと絢乃の目を見つめた。
「・・・これから大事なことを言うから、しっかり聞け」
雅人の瞳が絢乃の瞳を覗き込む。
涙で滲んだ視界いっぱいに映る、涼やかな美しい瞳。
その瞳に熱情が宿るのを、絢乃はぼうっと見つめていた。
「・・・絢乃。結婚してほしい」
雅人の言葉に。
絢乃はこれ以上はないと言うほど目を見開いた。
・・・これは、夢だろうか・・・。
・・・信じられない・・・。
雅人はもう一度絢乃に口づけ、少し笑った。