蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
一章
1.お見舞い?
翌日の10:00。
絢乃はリビングのソファーに座り、卓海からのメールをじっと眺めていた。
『明日、13:00に宮崎平の駅に来い』
・・・卓海が言っていた一か月が終わるまで、あと10日ほどだ。
ペナルティなくそれを勤め上げれば、無罪放免となる。
恐らく今日の誘いを断れば、卓海のことだ、躊躇なくペナルティをつけるだろう。
するとどうなるか・・・考えるだけでゾッとする。
それに・・・
あの時の卓海の表情が、なぜか気にかかる。
なぜ気になるのか、自分でもわからないのだが・・・。
「・・・」
とりあえず会いに行くだけ行って、慧が病気だからと断ろうか。
でもわざわざ宮崎平まで来てもらうのも気が引ける。
それなら、事前に連絡しておいた方がいいだろう。
絢乃は卓海の連絡先を表示し、通話ボタンを押した。
しばしの呼出音の後、卓海が出た。